よく見かける通常の湾曲した靴底ではなく、当工房の靴はユニークな設計を採用しています。静止した状態では安定した姿勢を維持し、歩行時には前足部への荷重が自然な推進力へと変換されます。加えて、年齢とともに下腿の内旋運動の不足が問題となることがありますが、当工房の靴はそのサポート機能を提供します。このため、O脚の予防にも効果的であり、歩行の快適さと健康への配慮が両立しています。※ミッドソールとは、靴の底アウトソールとインソールの中間に挟まれている部分です。
今までにない木型づくり
外反母趾、リウマチの靴の木型を作るためには通常のオーダーメイド靴の何倍もの修正量が必要です。
なので動画にあるような木型の修正をすることが
従来の革乗せ、パテ盛ではとても困難でした。
外反母趾、リウマチの靴を作るための木型を作りたいと思い
何十回と失敗を重ねて作りあげた工法です。
この技術を手に入れたことが、私の靴づくりの最大の財産です。
外反母趾靴_靴づくり#10_アウトソール底付け
外反母趾の方や高齢者の方は
母指球から指先に抜ける動きができない傾向があります。
前足部に適度なスロープを作ることで母指球から指先に抜ける動きがスムーズにないます。
また外反母趾、リウマチの方は
前足部のタコや魚の目の痛みで悩んでいる方が多くいらっしゃいます。
立位の時には患部に荷重がかからないようにする秘技を忍ばせてあります。
外反母趾靴_靴づくり#9_釣込み
縫製したアッパーを木型の形に合わせ込む作業を釣込みといいます。
釣込みには、釘打ちで形を付ける仮釣りと釘を抜いて仕上げる本釣りがありますが動画では仮釣りの作業をしています。
革が化けて靴の形に変わっていく様は、何百足作っても感動します。
外反母趾靴_靴づくり_縫製
ミシンの基本的な構造は1845年に実用化されたミシンと
今のミシンとではあまり変わらないようです。
私のミシンも1997年式のミシンで30年ぐらい前のものですが、
メンテナンスは油をさすだけで修理したことはありません。
何百年も変わらないものを作るなんてすごいですね。
私のミシンは左に腕が出ている鞄職人の使うミシンを使っています。
靴職人は右に腕が出ているミシンを使いますが
左利きの私には左腕のミシンの方が使いやすいので愛用しています。
なぜ靴職人と鞄職人で右と左に分かれているのかはわかりませんが、
鞄職人の左腕ミシンの方が厚物を縫えると聞いたことがあります。
外反母趾靴 靴づくり デザイン
軟らかい革やストレッチ素材を使っても
ステッチが入ると糸は伸びないので
負荷を逃がすことができません。
負荷を逃がしたいところには
ステッチが入らないように
デザインを考えています。
外反母趾 靴づくり 包丁研き
私は包丁の切れ味を
指紋に刃がかかる感覚で判断しています。
指の上に包丁を乗せているのは
そうゆうことです。
包丁研ぎは瞑想状態になれるので
心ここにあらずというときにすることもあります。