<基本ポジション>
ピラティスは立位、仰向け、座位、四つん這い、ほかにもうつ伏せ、横向きなどスタートするポジションにさまざまな種類があります。体の正しい位置(ニュートラル・ポジション)を意識しましょう。
●間違った姿勢に注意
これから紹介する立位、仰向け、座位、四つん這いのニュートラル・ポジションをとるためには、骨盤が前傾してしまうと、背中が丸まってしまうので注意しましょう。
<呼吸のポイント>
ピラティスでは、呼吸を意識することでコアの筋肉を鍛えることができます。
①背中のラインを保つ(多裂筋)
②吐く息でウエスト周りを引き締める(腹横筋、横隔膜)
③おへそを後ろへ引き込む(腹横筋、横隔膜)
④肛門や尿道を締めるイメージで、内臓を引き上げる(骨盤底筋群)
●立位
1)姿勢の取り方
骨盤をニュートラルの位置に置きます。背中を真っすぐに伸ばし、正面を向き、顎を軽く引きます。
2)呼吸の仕方
胸郭の動きを感じるために、肋骨に軽く手を添えて、これ以上吸えないという限界まで鼻から息を吸います。肋骨周辺の筋肉が張り出してくるのが分かります。吐くときは口からです。膨らんだ風船をしぼませるイメージで、肺の中の空気を全て出し切ります。添えた手が中央で近付くほど、胸郭が小さくなるのが分かります。
●仰向け
1)姿勢の取り方
仰向けで骨盤をニュートラルにして、肋骨下部と腰骨と恥骨結合を平行に揃えることが基本ポジションどなります。両足は床の上に置きます。
2)呼吸の仕方
仰向けの骨盤のニュートラル・ポジションで鼻から息をいっぱい吸います。床に背中がついているため、背中側が膨らんで床を押すように感じられます。背中、お腹、骨盤周りの筋肉を緊張させたまま、口から息を吐き切ります。胸郭が小さくなると同時に、肋骨が緩んで、お腹の方に下がるのを感じることができます。
●座位
1)姿勢の作り方
あぐらの姿勢で座り、骨盤をニュートラル・ポジションに置き、背中をまっすぐに伸ばし、顎を軽く引きましょう。
2)呼吸の仕方
肋骨に手を添えて、胸式呼吸で鼻から息を吸います。姿勢が崩れないよう、背中、お腹、骨盤周りの筋肉を緊張させたままで行います。口から息を吐ききるときも、背中、お腹、骨盤周りの筋肉はゆるめません。胸郭が小さくなっていくときに背中が丸くなりやすいので、姿勢を崩さないように注意します。
●四つん這い
1)姿勢の取り方
肘と膝、あるいは手の平と膝で体重を支えます。骨盤はニュートラルの位置です。お腹を出っ張らせたり、背中を丸めたりしないように気を付けましょう。頭は、体の延長線上で真っすぐの位置です。肩甲骨を引き過ぎないように注意します。また、体がねじれないように気を付けましょう。
2)呼吸の仕方
四つん這いのニュートラル・ポジションで最大限に鼻から息を吸います。お腹に下向きの重力がかかりますが、背骨、お腹、骨盤周りの筋肉は緊張させたまま、おへそを内に引き込む意識で行います。口から息を吐き切るときは、胸郭もお腹も背中側に引き上がる感覚が得られます。つられて背中が丸くならないように背骨の緊張は保ち続けましょう。骨盤も安定させたまま、体の全面を薄くするイメージで行います。
日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より