触覚/痛みの性差

痛みの感じ方や訴え方には、性差もあるようです。一般的に、女性は男性よりも痛みの感受性が強く、痛みを訴えることが多いと考えられています。女性は普段から生理痛などを経験しているため、痛みに馴染んでいて、それを当然のものとして他人に話す機会も多いからです。それに対して、男性は痛みに慣れていないために、痛みがあることに困惑してしまいます。

さらに、「男は強くあるべし」とする文化的な規範があるため、他人に話すことに抵抗があることも考えられます。また、一般的に女性は男性よりも身体能力が弱いため、女性の体は感受性を強めて、できるだけ早く痛みに気づき、その原因を早く取り除いてもらうように、他者への表現も多くするように進化したのだとも考えられます。

日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より