●朝起きて太陽の光を浴びる
朝起きて太陽の光を浴び、その刺激が目の奥の網膜から視神経を通り、視床下部にある「視交叉上核(しこうさじょうかく)」に伝達されるとセロトニンの合成がスタートします。
そして、脳全体の活動をスタートさせ、セロトニンによって快適な1日が始まります。逆にセロトニンの分泌が低下してくると、気分が憂うつになり、「何もしたくない」「このままずっと寝ていたい」と感じるようになります。このように感じるのであれば、セロトニンの分泌が低下している証拠です。この状態ではコミュニケーションを取る気にもなれません。
朝、太陽の光をしっかりと浴びるためには、カーテンを開け、太陽の光が部屋の中に差し込むようにするとよいでしょう。可能であれば、カーテンを少し開けた状態で寝ることがおすすめです。なぜなら、太陽の光により体内でセロトンの合成が始まり、脳に活動開始の命令が出るため、自然と太陽の光が差し込むようにすることで、目覚まし時計が鳴ってからカーテンを開けるよりも、よりスムーズな目覚めを促してくれるからです。戸を閉めて寝る方や遮光カーテンを使用している方は、ぜひ工夫してみましょう。
●リズム運動をする
リズム運動とは、「1,2,1,2」の掛け声に合わせてできるリズムカルな運動のことです。ウォーキングやジョギング、階段の上がり下がりなどです。また、咀嚼や歯磨き、深呼吸なども一定のリズムがありますので、リズム運動に含まれます。早起きをして、よく噛みながらしっかりと朝食を食べ、歯を磨くといったことは、毎日の生活の中で自然に取り入れることができます。
また、リズム運動は、セロトニンの合成が高まる朝や午前中を中心に、楽しく行うとより効果的です。負荷の大きい運動をしてしまうと、セロトニンの分泌は反対に低下してしまうため、心地良いと感じる程度にしましょう。
●「トリプトファン」を補給する
セロトニンは、タンパク質(アミノ酸)の「トリプトファン」から合成されます。トリプトファンを多く含む食品は大豆製品や乳製品、肉、魚、ナッツ類などです。また、セロトニンの合成には、トリプトファンだけでなく、ビタミンB6も必要です。ビタミンB6を多く含むレバーや魚、ごま、ナッツ類、バナナなどを合わせて取ると良いでしょう。
日本成人病予防協会 総務省認証 学術刊行物より